技術経営における特許戦略の位置づけ

2017/04/01

まず、技術経営とは・・・

延岡健太郎、MOT[技術経営]入門 より抜粋

技術経営の目的

技術・商品に関するマネジメントの観点から、製造企業における長期的な付加価値創造(利益)の最大化を実現する

付加価値創造最大化の枠組み(製造企業が儲けるためにはどうすればいのか?)

付加価値創造の最大化は価値創造と価値獲得の両輪が揃わなければ実現できない。

「価値創造」
① 革新的なイノベーションにより、機能や利便性など、価値の高い技術・商品を創造する
② 技術・商品開発のプロセスを効率的・効果的にマネジメントし、品質や生産性を高める

「価値獲得」
創造された価値を事業価値(付加価値・利益)として獲得する

付加価値創造最大化の枠組みの詳細(延岡健太郎著、技術経営[MOT]入門より)

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特許戦略と技術経営の関連

特許を活用すれば、自社技術の強みを生かして、他社と差別化した、付加価値創造の最大化が実現できる(例えば、オープン・クローズ戦略)。

例えば、下図に示す3C(Company-Customer-Competitor)の関係において、オープン・クローズ戦略のように、自社は顧客に対して自社製品(もしくはサービス)によって顧客価値を提供しながらも、競合他社に対しては、特許などによってクローズにする部分を用意して、競争優位性を確保する。
ただし、顧客価値の提供および競争優位性の確保は、自社のみではなく、供給企業や補完企業といった仲間企業と協業して、自社製品がその業界の標準(デファクト・スタンダード)となるようにオープン化を進めれば、より大きな付加価値創造が可能になる。
このような戦略を実践している会社として、マイクロソフト社が有名である。

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