TPS (Toyota Production System)

2018/2/11

TPS(トヨタ生産方式)は、生産現場におけるムダの徹底的排除の思想に基づき、より合理的な生産方式を追い求め、高い生産効率を実現する。ここでは詳細な説明は省く。
当学科は現在、工業大学内の経営学科という位置付けであるが、その前身は工学部の経営工学科であった。よく、「経営工学とは何を学ぶ学問だったのですか?」、と尋ねられるが、その際、「ものづくりの現場の経営学を学ぶ学問でした。」と答える。私もこの学科で育ったうちの一人であるが、カリキュラムには生産管理や品質管理はもちろん、財務・会計、機械工学、電気工学、製図といった科目があった。
嘗て、日本では良いものを安く作りさえすれば必ず儲かるという時代があったが、当ホームページの技術経営(MOT)についての説明にもあるように、これは「価値創造」の部分に留まり、「価値獲得」の部分(戦略や独自性、マーケティングなど)を取り込まなければ、付加価値創造が困難となった。ただし、究極のトヨタ生産方式により高められた生産効率は、どの企業にも模倣するこができず、それ自体が独自性、差別化の源泉となり得る(技術経営における特許戦略の位置づけ、3Cの関係を参照)。
当研究室では、2016年度、小売業、具体的にはコンビニエンスストアに対してTPSの適用を研究した。